習慣性いびき症など睡眠時呼吸障害の患者さんが年々増加しています。
その原因の一つとして、食生活の欧米化、グルメ嗜好、飽食などによって肥満者 が多くなっていることがあります。肥満になるとベロ(舌)が大きくなって、寝た時に
舌が沈下し、のどの気道(空気の通り道)を塞いでしまうのです。
いびきをかくと眠りも浅くなり、 その代償として日中の眠気をもたらし、仕事の能率 低下や居眠り運転事故を起こすなど、社会生活にさまざまな支障をきたします。
また、長期にわたっていびきをかいていたり、無呼吸が続くと高血圧、不整脈、脳・心 臓血管障害、糖尿病などを誘発したり、記憶力や思考力の低下をまねきます。
主な医学的治療法には、CPAP(シーパップ)と呼ばれる鼻マスクを通して陽圧空気 持続的に送る装置を使用する方法、UPPPといって口蓋垂(のどちんこ)や軟口蓋の 肥大した部分を外科的に切除する方法などがあげられます。
しかし、ファーストチョイスとして、ここでご紹介する簡便で携帯にも便利なスリープ スプリントをお勧めします。
スリープスプリントは、中川歯科医院の中川健三先生が、ご自身も重度の睡眠時無 呼吸症候群にかかり、UPPPという手術を受けても治らず、やむを得ず自ら開発をし、 改良を重ねてきたものです。
スリープスプリントは寝ている間、大きくなった舌を持ち上げ、気道を広げ、呼吸をし やすくする装具です。ご来院回数もたった2〜3回でできあがります。大きさもポケット に入る小さい装具ですから、携帯にも便利です。
費用の目安は6万円程度です。(保険適用外の場合)
受診をご希望の方、その他のお問合せは当院まで
スリープスプリント治療とは?寝る時に下の顎を少し前方に突き出させるように工夫したマウスピースを口に入れてお休みになる方法です。
このスリープスプリントという装置を入れることで、のどの気道(空気の通り道)が広がり、いびきや無呼吸を緩和・軽減します。
・他の治療に比べ、安価にできます。
・装着も容易です。
・お口の中に入る大きさですから、出張や旅行に携帯することができます。
・丈夫なプラスチック加工ですから、何年もご使用になれます。
スリープスプリント治療を受けられない方は?歯を固定源にしますので、残っている歯が少ない方(20本未満)には使用できません。
また、鼻の通りがいつも悪い方や寝つきの悪い方、装着感になじめない方も使用できません。
重度の歯周病の方も装着できません。
このような方には別の方法が良いと思われますので、専門病院へご紹介します。
専門医院で睡眠時無呼吸症と診断され、当医院に紹介された方に限り、健康保険が適用されます。
具体的には、
(1)睡眠検査をおこなうこと(終夜睡眠ポリグラフ検査など)
(2)検査の結果、睡眠時無呼吸症候群と診断されること
(3)医師の治療依頼(紹介状)があること
が保険適用の条件となります。